其の262 さらば片目のジャック

麦わらのゾフィ

2009年05月19日 23:28

私がオカッパリでいつも持っていく小さなタックルケースの中に
ミノーは2つしか入っていない。

去年レギュラーになったロングAとボロボロのTDミノーだ。



このTDミノーは10年以上前、故西山 徹氏がテレビ番組で紹介した影響で
当時暫くの間品薄になり、やっとの思いで手に入れた奴なのである。

期待通りに良く釣れたのとフローティングの為にロストしなかった事で
購入以来ずっとレギュラーメンバーとして今年まで活躍してくれたルアーである。
特に3月4月、その年の初バスをコイツで何匹仕留めたであろうか・・
そんな思い出も詰まったルアーなのだ。

購入直後に片目が取れてしまい、以来私の中で「片目のジャック」の愛称で
共に戦って来たのである。

その「片目のジャック」がこの間・・・

この間と言っても3月の終わりの事なのだが茨城のとある調整池で
とうとうロストしてしまった。

その日もこの時期の定番であるコイツを朝一から投げていたのだが
インレットがあるその調整池の一番はじの所で、アシ際を狙ったつもりが
ミスキャストで岸際に立つ桜の枝に引っ掛かってしまったのだ。

「外れて~」と思いながら何度もビヨンビヨンやっていると
ラインが切れてしまい、奴は護岸から1m位離れた水面へチャポンと落ちたのだ。



まあ枝の先端に残るよりあそこの方が始末がいいなと思いながら
歩いて1~2分の対岸へぐるっと回って回収に行った。
しかし行ってみると、そこに浮いているはずの奴が居ない!
流れも無く風も吹いていない、さっきの光景を思い浮かべてみても
確かにここいらに落ちた、・・・しかし見当たらない。
5分ほど探したのだが、見つからないので諦めて別のポイントへ移動した。

別のポイントへ移動してはみたものの、奴との思い出が脳裏をよぎる
ちょうど別れて初めて彼女の大事さに気付くような感じと同じなのだろうか
(そんな彼女が居た経験はないのだが・・・)

30分ほど別のポイントでやっていたのだが、居ても立ってもいられなくなり
急いで桜の木の下に戻り、今度は徹底的に探した。

何かの理由で水中にサスペンドしているかも、とも思い
マッディーな水の中をロッドでかき混ぜたり
アシの中も目を凝らして探した。

でも結果は同じであった。

しかし何故?

考えられるのはただ一つ。

対岸へ歩いて回った1~2分の間にバスに喰われてしまったのだ。

そうだ、きっとそうに違いない。

最後の最後まで奴はその役目を全うしたのだ・・・

さらば!片目のジャック。

・・・・・

と言う訳で戦力不足になったミノーを補充しなければならない。

同じTDミノーでも良いのだが気になる(欲しい)奴がある。

それはセイラミノー・・・釣れるらしい


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