其の696 ハンドメと私
私がルアーフィッシングを始めたのは
今から30年以上も前、私が二十歳の頃だった。
その頃当時勤めていた会社の社長に誘われて
よく渓流釣りに行っていたのだが
ルアーに興味を持ち始めていた私は
とにかくルアーなる物で魚を釣りたくなり
海の小物用チョイ投げパックロッドと小型のスピニングリール
そして適当なルアーをいくつか買って渓流魚に挑んだのだ。
(当時渓流魚用のルアーと言えばスプーンかスピナーで
ミノーのようなプラグは売っていなかったよう思うのだが
私が気が付かなかっただけなのかも?)
しかしながら餌釣りの片手間にド素人が投げるルアーに
喰らい付く唐変木な岩魚や山女魚が居るはずも無く
唯一掛かったのはウグイ一匹のみだった。
(でもどう言う訳か釣れないのに夢中だった。)
なぜ釣れないのか?ルアーが悪いのか?
いろいろなルアーを試せれば良かったのだが
当時は金銭的理由から量的手段を取る事は出来なかった。
そんな中、変な形のスプーンに出会った。
ご存知ルーハージェンセンのハスルアーだ。
この形なら、自分で作れる!
今思うと、まさに運命的な出会いだったかもしれない。
鉄板を切り抜き、プラカラーを塗っただけのお粗末な物だが
コレが私が30年前に作った人生初のハンドメルアーである。
これと同じ物を色違いで5~6個作った記憶があるのだが
ロストしてしまったのかこれ1個しか見つからなかった。
私が最初にハンドメイドルアーを作った理由は
ご多分に漏れず、金銭的な理由からである。
本当に釣れるかどうかも判らないルアーを
買ってはロストを繰り返していたのでは
いくら小遣いがあっても足りたものではない
それだったら自分で作れば安上がり!そして
自作のルアーで仕留めると言う新たな楽しみも増える訳で
まさに一石二鳥だったのである。
一時期ルアーフィッシングから離れた時期もあったのだが
30年以上前に始まった私のルアー作り
今現在はちょっと違う理由がある。
(金銭的理由がないと言えばウソになるが
実際はハンドメの為の道具や塗料そして
手間を考えると買った方がはるかに安い)
それはオリジナリティーを表現したいと言う事。
世に有る形や色にとらわれず
自分の妄想に基づいた形や色
そして自分なりのコンセプトを表現する。
今これが一番の理由である。
(もう一度上の画像を見て欲しい
これはさっき気付いたのだが
ヘッドの形やラインアイの位置を見ると
当時からなにやら怪しい妄想に取り付かれていた
気配があったようだ。笑)
そして大事な事だあと二つ。
一つは作っていて楽しい事。
もう一つは、これが最も重要なのだが
それで釣るという事
私の場合うっかりすると
作る事で満足感を達成してしまう事がある。
それはキレイに作ろうとか本格的な物を作ろうとすればするほど
陥るワナで、わりと最近になって気が付いた。
本来の目的を忘れてはダメなのだ。
簡単に作って、多く釣る!
これが私の理想である・・・
どうやったら手間を掛けずに作れるか
試行錯誤を繰り返し1ヶ月半も掛かってしまった最新作
理想ははるか彼方のようである。
700回記念記事、最後までご覧いただき
ありがとうございます。オシマイ
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