其の606 工夫する。

麦わらのゾフィ

2011年08月23日 11:28

それは真夏の太陽が照りつける8月のある日の出来事であった。

「こんにちはー」

「はい、こんにちは。暑いですねー・・・」

「2時間券で、お願いします。」

「はい、えーと今1時半だから・・・3時半までと・・・」

と言って多分ここのご主人と思われる人が入漁券を作ってくれた。

私はカウンターの横の壁にずらりと掛けてあるルアーを見ながら

「スプーンが欲しいんだけど、何かお薦めの物は有りますか?」

「スプーンですか!ウチはみんなスプーンを使うのでスレちゃっているから
 クランクやミノーの方が釣れますよ。」

「へ~、そうなですか、
 クランクやミノーは持っているので じゃあ、それでやってみます。」

・・・とは言ったものの
『そんな事は百も承知、でも前回クランクやミノーで
 まったく反応が無かったからスプーンでやりたいんです!』・・・
『いや、オヤジが言うのだから間違いないか!』・・・
などと内心思いつつタックルの準備に取りかかった。


持っていると言ってもそのほとんどは昔使っていたバス用スモールプラグ
ちょっとサイズ的に大きく、そのせいで反応が悪いのかもしれないが
兎に角手持ちはコレだけなので、順番に結んで反応を見るしかない。
(でも、既に前回でダメな事は判っているのだが・・・)

ただ前回は時間が1時間しか無かったので一つのルアーを3投程で
ローテーションさせていたが、今回は2時間たっぷりあったので
一つのルアーに付き10投くらい、リトリーブスピードやタナを意識しながら
じっくり攻めてみた。

がしかし!

案の定まったく反応が無い。クランク、ミノーは言うに及ばず
前回、バイトのあったポッパーやジグスピナー、さらに前回唯一魚を
連れて来てくれた白カエルさえまったく反応しない。



前回より日差しが強いせいなのであろうか?・・・


そうこうしている間にあっという間に時は流れ1時間半が経過、
残り30分を切ってしまった。

ン~、どうするポイントを変えるか、それとも・・・このままではボウズだ。

・・・・・

手詰まり状態でどうしたらよいか悩んでいると、ふとあることを思い出した。
前回の釣行ブログのコメントで、いつも的確なアドバイスを下さる中Zさん
このカエルの黒い奴を持っていると言っていた。

黒!?

普段、マッディーな所ばかりでバスを狙っていると白は絶対外せないカラーであるが
考えてみれば、クリアウォーターでこの日差し、白では当然目立ち過ぎである。

そして仕事用の工具箱の中に黒のマジックが入っているのを思い出した。


最初は真っ黒に塗りつぶすつもりだったが、これまたふと途中で塗るのを
止めてみた。『マダラで一回やってみよう・・・』




一発だった!!!


コレだから釣りはオモシロい!止められない!


そしてその後もバイトは続いたのだが、残念ながらフックオンには至らないまま
タイムアップになってしまい、ネットインしたのはこれ一匹だった・・・


ちょっとした工夫で物事が一気に好転する事がしばしある
釣りに限らず仕事でも家庭でも工夫をする事はとても大事だ。


そうそう、今回もう一つオモシロい事があった。
そのルアーに魚が興味を示し追って来るかどうかを観察していると
ルアーにはまったく興味を示さないのに、なぜかルアーより1mほど前のあたりに
魚が2匹も3匹も寄って来るのである。

最初は「なんだ~???」と不思議だったが答えは直ぐに解った。



PEとナイロンラインの結び目に興味を示していたのである。
良く見るとまさにニンフのようだ!

・・・「端末の処理があまいねー」と言う突っ込みは入れないでね!オシマイ。







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