2011年8月14日午前4時45分、ついに富士山の頂上にたどり着いた。
しかし、本当にやっとの思いでたどり着いたので安堵感がいっぱいで
「やったー!」と言う充実感はこれっぽっちも無かった。
登り10時間半、下り5時間(山小屋滞在時間、山頂滞在時間含まず)は
私はとにかく、小6の息子にとってかなりギリギリの行程時間であった。
心配していた高山病の症状はでなかったものの、薄い酸素、不慣れな山小屋での寝不足
そして動けば暑く、休めば寒いと言う難しい体温調節でどんどん体力が奪われ、
かなり限界に近かった。
息子に「大丈夫か?」と声を掛けると「大丈夫。」と返事はするが声は
かなり小さい。
本八合目(3400m)、頂上まであと2時間ほどの所にある最後の山小屋で
リタイヤするかしないか最後の判断をしなければならない。
山岳ガイドいわく、「お子さんは大丈夫かどうかを自分ではまだ判断できないので
様子を見て親ごさんが判断して下さい。」・・・もっともな事である。
私はかなり迷ったが。息子に「苦しければお父さんがリュックを持ってあげようかと?」
聞くと「いい、」と言う。
・・・『よし、行こう。』
とは決めたものの、ここから先はさらにキツくなり、息子の様子をさらに注意しつつ
「頂上見えたぞー」「深呼吸しろー」「ガンバレー」などと声掛けしながら登ったのだが
しかしこれらは、自分自身に言っていたも同然で、私自身もかなりヤバかったのだ。
コレが頂上で唯一まともな写真、あとは全てボロボロ顔だ。
ご来光。・・・家族の健康、そして大震災で亡くなった人たちの霊にお祈りした。
話には聞いていたが、この人の数には驚いた。
コレでも今日はいつものお盆より少ないらしい。
今回の登山は、私が富士山の経験が無いのでベテランガイドが同行する
ツアーに参加したのだが、ツアーであるが故にスケジュール的な余裕が無く
とてもあわただしかったのが残念であった。
しかしツアーであったからこそ登る事が出来たのもまた事実である。
『一生に一度は富士登山』
・・・一度登ったのだから、もう二度と登る事はないな!
と昨日まで思っていたのだが・・・
今日、ふと思い浮かべると今度は空いてる時にもっとゆっくり自分のペースで
また登りたいぞ!と思ってしまう
富士山はそんな不思議な魅力がある山であった。